賞状に押す印鑑の決まりごと

ひとくちに賞状といっても卒業証書、感謝状、表彰状などその用途はさまざま。金色の縁取りに整った文字で書かれた賞状は受け取ると何だか誇らしい気持ちになるものです。そんな賞状をよく見ると必ず贈呈者の名前の下に朱い印鑑が押してあることに気付くはず。形は丸かったり四角だったりしますが、社印や団体名などが多いようですね。この印鑑を押して初めて賞状は完成し、その効力を発揮します。もちろん、朱が入ることで一気に引き締める効果も持っています。つまり、最後に押す印鑑はとても重要だというわけです。そこで、賞状に押すこの印鑑の押し方の決まりについてご紹介しましょう。

印鑑はどこに押してもいいわけではありません。落款のサイズは2.5~3cmくらい。贈呈者の中心と落款の中心を合わせ、高さは贈呈者の名前にかかってもよいですし、ギリギリ端に合わせてもかまいません。ここで注意しなければならないのは、落款の下辺が本文の下辺りも下になってはいけないということ。下に下がってしまうとバランスが崩れていまいます。また、贈呈者が連名で落款の大きさが違う場合は下辺で合わせます。印鑑同士はくっつかない程度に間隔を開けるとキレイです。

実はこの印鑑を押すのを失敗して賞状を書き直すことになったという例も少なくなく、実際に筆耕士のところにはもう1枚書いてほしいという依頼も珍しくはないようです。印鑑が四角いため、曲がって押してしまうとかなり目立ってしまうのが現状です。そこでおすすめしたい道具が角形定規。直角になっている部分に印鑑の角を合わせれば、まっすぐ押すことができる優れものですので、1つ持っていると便利です。これさえあれば、一度押してみて薄かったりかすれたりした場合、もう一度同じところに押せるのです。正しい位置と道具を揃えて、最後の印鑑を上手に押して賞状を完成させてくださいね。