命名書とは
命名書(めいめいしょ)とは、新生児の誕生を祝って、その子の名前と誕生日を記した文書のことです。主に日本の伝統文化の一つで、誕生した子どもの健やかな成長と幸せを願うために作られます。命名書は以下のようなシーンで用いられます。
命名書の用途と意味
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お七夜(おしちや)
- 生まれてから7日目の「お七夜」に名前を正式に決め、家族や親族に披露するために作成されます。
- この日に赤ちゃんの名前が命名書に記され、神棚や仏壇に供えるのが一般的です。
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赤ちゃんの成長祈願
- 健康で幸せな人生を願い、命名書を飾ることが縁起の良い行いとされています。
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記念としての保存
- 命名書は、後々まで保管することで家族の思い出やルーツを振り返る象徴的な記録となります。
命名書の形式・内容
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記載内容:
- 子どもの名前
- 誕生日(和暦や西暦)
- 両親の名前や署名(場合によっては祖父母も)
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デザイン:
- 伝統的な書道風:和紙に筆で書かれたもの。
- 現代風なアレンジ:色紙やアートボードに印刷されたものや、デジタルデザインも人気。
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飾り方:
命名書は額縁に入れて、リビングや赤ちゃんの部屋に飾るのが一般的です。また、一部の家庭では初宮参りの時に神社へ奉納するケースもあります。
命名書を準備するポイント
- 専門の書家や命名書サービスに依頼する方法もありますが、両親自身が心を込めて手書きするのも素敵です。
- 最近では、オンラインでオーダーできる命名書もあり、名前の書体や背景デザインをカスタマイズすることが可能です。
命名書はただの飾りではなく、家族の願いを表す重要な象徴です。準備する過程も、赤ちゃんを迎える家庭の大切なイベントの一部となります。
命名書の書き方
命名書を書く際は、基本的な構成や形式を守りながら、心を込めて丁寧に仕上げることが大切です。
- まず、中心部分に赤ちゃんの名前を大きく書きます。名前は命名書の最も重要な要素であり、その字体やバランスにもこだわると、より意味深く美しい仕上がりになります。
- 次に、赤ちゃんの生年月日や誕生した時刻を記載します。これはその子の人生の始まりを明確に示すためであり、運命的な瞬間を記録する意味も含まれています。
- また、両親や命名者(場合によっては祖父母など)の名前も書き添えるのが一般的です。命名者が名前に込めた思いや願いを簡潔な言葉で表記する場合もあり、ここにその子への期待や祝福の気持ちが込められます。
紙面全体のレイアウトは伝統的な和風のものもあれば、最近ではモダンなデザインも取り入れられています。紙質や筆記具にもこだわり、和紙や筆ペンを使うと、より格式高い印象になります。
書き終えた命名書は、お七夜の集まりで家族や親戚に披露され、その後額装したり掛軸にして飾るなど、大切に保管されます。こうして命名書は、赤ちゃんの誕生とその名前に込めた思いを、長く伝える記念の品として残されるのです。