毎年7月から9月にかけて発生する台風。突然発生して、通り道を暴風雨に巻き込みながら進み、最後は温帯低気圧に変わって消滅するのが一般的。けれども、今回の台風12号は物議を醸していますね。なぜなら通常とは全く逆の進路をたどっているから。西から東へ横断、または北上して縦断するのが普通ですが、この台風は東から西へ。さらに南下したあと、ループを描いてさらに西の方へ進むという何とも不思議な台風なのです。
なぜこんな台風が発生したかについて簡単に説明しますと、進路である東海沖の「寒冷渦」というものが影響しているようです。これ自体が反時計回りの渦を持っていて、台風も同じ半時計回りだから、相互作用で西に進んだというわけです。
そしてもう1つ、朝鮮半島から北日本に覆いかぶさっている高気圧の勢力がかなり強いことです。これが猛暑を起こしているのですが、台風は高気圧の方には進まないのが鉄則。つまり高気圧を避けた台風が真西に進路を変えたのです。
「こんな台風初めて」という人も多いようですが、実は平成16年の台風10号も逆走台風だったようです。ただ、今回とは少し違っていて、一旦日本を離れて南に向かい、Uターンして東北に上陸。しかも、この台風はあちこち行ったため、発生から温帯低気圧になるまでナント11日間もかかったそうですよ。もちろん、最長記録。
今回の台風もまだ温帯低気圧には変わっておらず、屋久島沖で停滞しているようですね。今後はくるっとループを描いてもっと西に進んでいく予想。もしかして、このままいけば最長記録を抜くかもしれませんね。
先日の豪雨被害を受けた地域にまた雨が降り、二次被害も心配されています。後片付けもまだ終わっていないというのに……。該当地域の方は気象情報に十分注意して、くれぐれも気を付けてくださいね。