自分だけの印「落款」を作ってみよう!

皆さんは「落款」をご存知でしょうか。これは書画などを作成した際、最後に押す印鑑のことで「作品が完成していますよ」「これは自分の作品ですよ」という意味を込めて印をつけるものです。書道や日本画に朱い趣のある印鑑が押されているのを見たことがある人も多いと思いますが、この朱が入るだけで作品をグッと引き締めてくれます。

落款は普通の印鑑とは異なり、いわゆる「しるし」ですので遊び心を入れて自由に作ることができます。ですから字体もさまざま。昔の象形文字のようなものもおもしろいですし、吉相体と呼ばれる、見ただけでは読めそうもない難解なデザインも人気があるようです。また、落款には文字を残して掘るため文字が朱い朱文印と文字を掘るので白い文字になる白文印があります。朱文印は線が細く繊細な雰囲気になりますし、白文印は朱の部分が目立つので実際よりもどっしりと大きく見えますので、どちらを選ぶかによって雰囲気が全く変わります。

また、普通の印鑑では欠けているなんて絶対にあってはならないことですが、落款の場合はわざと周りの囲いの部分に欠けを作り、風情を出します。面白いですよね(^^)。素材は石を使うのが一般的で小さなものでは7mmくらいから作れます。ハガキや半紙など用紙のサイズに合わせると違和感なくしっくりきます。

書画なんて書かないから…という人も多いと思いますが、落款自体に趣がありますので、たとえば年賀状に押すとそれだけでとても素敵になりますよ。落款はインターネットでも作ってくれるお店はたくさんありますが、せっかくなら印鑑屋さんに行って、いろいろな落款の見本や字体などを確認して自分のイメージに合うものを作ってもらうのがおすすめです。できれば1級印章彫刻技能士の資格を持っているような信頼できるお店を探すとよいでしょう。落款を1つ持っていると何だかそれだけでワクワクしますし、書や絵でも描こうかなという気持ちになれますよ。